これさえ押さえれば大丈夫!freeeで請求書を作成するための3ステップ

この記事の監修

伊藤桜子

伊藤会計事務所 税理士 伊藤桜子

1990年 神戸大学法学部卒業。神戸市役所勤務、税理士事務所勤務を経て、2008年 福岡市中央区薬院にて伊藤会計事務所開業。
顧問先の100%黒字化を目指して、数値の早期化に取り組んでいる。DXによる業務改善を推進し、ペーパーレス、記帳代行業務の製販分離、クラウド会計の導入、kintoneによる業務一元管理などを実現してきた。
資金調達、税務相談、経理サポート、場所の提供(コワーキングスペース)など創業期に抱える問題を解決できるサービスも提供している。

この記事では、請求書の設定から作成、送付の流れと方法について解説していきます。

freeeで請求書を作ってみたけれど、これで本当に問題ないのか?そんな疑問をお持ちの方は、是非参考にしてみてください。

この記事はこういう方にオススメ

  • freeeをこれから使う方
  • freeeを使って請求書を作ってみたけれど設定が正しいか心配な方
  • freeeのもっと便利な使い方がないか気になっている方

freee会計では、見積書、納品書、請求書、発注書の4種類の請求書類を作成することができますが、この記事では請求書について設定方法をご説明します。

1. freeeの請求書類を設定しよう

まず、請求書の定型部分を設定します。

1-1 基本情報設定

ここで登録した内容が、自社の連絡先として請求書に転記されます。

設定 ⇒ 事業所の設定

の順でクリックし、「基本情報設定」タブを開きます。

操作画面

操作画面

請求書には、

  • 事業所の正式名称(設定していない場合は、「事業所名(会社名)」)
  • 住所
  • 電話番号1

が反映されます。

 

1-2 請求書類設定

書類のレイアウトや社印等の請求書類の設定を行います。

設定 ⇒ 事業所の設定

の順でクリックし、「請求書設定」タブを開きます。

操作画面

 

共通設定

レイアウトの設定

請求書類で使用するレイアウトを8種類の中から選びます。

窓付き封筒を使う場合や、繰越金額がある場合で適したレイアウトが異なりますので、自社の運用にあったレイアウトを選択しましょう。

 

操作画面

 

金額端数処理方法

単価、もしくは数量に小数点以下がある場合は、金額の端数処理を「切り捨て」「切り上げ」「四捨五入」から選択します。

 

源泉徴収税計算

所得税の源泉徴収税額を計算する場合、消費税を含めた金額に税率をかけるか、消費税を含めない金額に税率をかけるかを選択します。

 

承認フロー

承認フローを有効にすると、請求書を作成した後、上長が承認をして、請求書の発行ができるようになります。

プロフェッショナルプラン、エンタープライズプランをご利用の場合のみ使える機能ですのでご注意ください。

 

承認フローについての詳細は、こちらをご確認ください。
freeeヘルプセンター:見積書・納品書・請求書・発注書作成を承認制にする

 

ロゴ・社印の設定

請求書に表示させたいロゴ、社印の画像ファイルを登録することができます。
ロゴや社印の画像データを用意し、「ファイルを選択」からアップロードして保存してください。社印は濃さも設定できます。

操作画面

 

採番ルール設定

各請求書類の番号は、設定したルール(採番ルール)で自動でつけることができます。

操作画面

 

採番ルールは「採番ルールを設定する」をクリックして設定します。

操作画面

 

見積書・納品書・請求書それぞれで採番する」(書類ごとに番号を採る場合)か、「共通で採番する」(同じ案件で書類の番号を揃える場合)を選択できます。

作成日の年月日の入力や、桁数を指定することもできます。

操作画面

詳細な設定は、こちらをご確認ください。
freeeヘルプセンター:請求書類の採番ルールを設定する

 

テンプレート設定

請求書類ごとに、書類とメールのテンプレートを設定できます。

操作画面

 

請求書類テンプレートの設定

テンプレートを設定する書類の名前をクリックすると、プレビューを見ながら設定ができます。

連絡先情報、タイトル、振込先情報(請求書のみ)、メッセージ、備考の欄をクリックし、内容を入力します。

連絡先情報と備考は全書類で共通となります。

 

メールテンプレートの設定

請求書類のテンプレート設定画面で、請求書類を送信する際のメールの文章を設定できます。

本文を入力し、フッターを表示するか否かを選択して、保存をして設定完了です。

メールテンプレートは書類ごとに設定ができます。

操作画面

操作画面

 

定期請求書を登録する

定期的に発生する請求書の発行は、freeeで自動化することができます。

取引先や金額、発行月と発行日の設定ができ、請求書が作成されるとメールで通知されます。

ミニマムプランでは利用できないのでご注意ください。

 

詳しい設定方法はこちらをご確認ください。
freeeヘルプセンター:定期的な請求書発行を自動化する

 

2. freeeの請求書を作成しよう

請求書の定型部分の設定が完了したら、実際に請求書を作成してみましょう。

作成された請求書を確認し、必要に応じて設定を修正してください。

 

2-1 請求書の作成方法

請求書の作成には、

  1. 新規で作成する方法
  2. 他の書類から変換する方法
  3. 登録済の取引から作成する方法

があります。

 

1.新規作成

取引 ⇒ 請求書

の順でクリックし、「請求書の作成」をクリックします。

操作画面

操作画面

 

請求先情報の入力

請求先情報を入力します。

登録済みの取引先への請求の場合は、取引先を選択すると請求先情報は自動で反映されます。

新しい取引先の場合は、取引先を新規登録してから、宛名、住所、担当者名等を入力します。

請求先の情報が取引先設定と異なる場合、「取引先設定を請求書の内容で上書きしますか?」とメッセージが表示されます。

次回以降も同じ内容で請求書を作成する場合は、「上書きをする」を選択します。

操作画面

 

請求書のプレビューが表示されますので、「9.請求内容の登録」、もしくは詳細欄をクリックして、請求内容を登録してください。

操作画面

 

詳細(品名など)、数量、単位、単価、金額を入力します。以前に選択したことのある品名と金額が保存されているので、履歴から選択することもできます。

数量や金額などを入力しない項目の場合は、行の種類で「テキスト」を選択します。

勘定科目や税率を確認する場合は「勘定科目・税率などを変更する」にチェックを入れます。品目・部門・メモタグを登録する場合も、こちらにチェックを入れてください。

各詳細の消費税額を確認する場合は、「税額を表示」にチェックを入れます。

消費税の算出方法は、外税/内税で切り替えられます。

 

操作画面

 

請求書類テンプレートの内容を変更する場合

タイトルやメッセージなどは、テンプレートで設定した情報が自動で反映されています。

変更する場合は、プレビュー上で変更したい箇所をクリックするか、プレビューの左側にある項目一覧から選択して内容を変更します。

ここで変更した書類の内容は、変更した請求書にのみ反映されます。

すべての請求書の内容を変更したい場合は、請求書類テンプレートを変更してください。

 

2.見積書や納品書から変換

取引 ⇒ 変換元の書類(見積書・納品書)

の順でクリックし、変換する書類を開きます。

操作画面

 

他の書類に変換 ⇒ 請求書に変換

順でクリックします。

操作画面

 

作成された請求書のプレビューが表示されるので、必要事項を追記します。

 

複数の見積書・納品書から合算

複数の見積書や納品書から請求書を作成することもできます。

取引 ⇒ 変換元の書類(見積書・納品書)

の順でクリックし、合算する見積書、納品書にチェックを入れて「請求書を作成」をクリックします。

元の見積書・納品書の詳細部分が転記され、合算請求書が作成されます。

合算した請求書を作成するためには、同一の取引先へ発行された状態の見積書、納品書である必要があります。

ベーシックプラン以上のプランでのみ利用できますので、ご注意ください。

 

詳しくはこちらをご確認下さい。
freeeヘルプセンター:複数の見積書・納品書から合算請求書を作成する

 

3.取引から請求書を作成

既に登録している未決済の収入取引から、請求書を作成することもできます。

取引 ⇒ 取引の一覧・登録

の順でクリックし、請求書を作成する取引を選択して詳細を開きます。

請求書を作成」をクリックすると、取引の内容を反映した請求書が作成されます。

操作画面
(※表示画面が現在と異なる場合がございます。)

 

2-2 請求書の発行

請求書作成画面の左上にある「発行」をクリックすると、請求内容の取引が登録され、送付待ちになります。

「発行」をクリックしない場合は、取引が登録されずに請求書だけ作成されて売上が計上されないので、注意しましょう。

登録される取引

未決済の収入取引として登録されます。請求書で設定した取引先、勘定科目の内容で登録されます。

品目・部門・メモタグを登録した場合は、その内容が取引に反映されます。詳細は取引の備考欄に反映されます。

請求書作成画面上部の「取引」をクリックすると、その請求書から作成された取引を確認できます。

登録される仕訳

設定した勘定科目で仕訳が登録されます。

勘定科目を変更する場合は「勘定科目・税率などを変更する」にチェックを入れて、勘定科目を変更します。

操作画面

 

作成される仕訳は、取引の詳細画面でも確認することができます。

 

3. freeeで作った請求書を送付しよう

請求書が作成出来たら、取引先へ送りましょう。

 

3-1 請求書の送付方法

freeeから請求書を送る場合は、メールか郵送サービスを利用する方法があります。

 

メールで送付

取引 ⇒ 請求書

の順でクリックし、送付する請求書の行をクリックします。

メールで送付>スマート請求書

取引先もfreeeを使っている場合は、取引先がワンクリックで取り込むことができるスマート請求書を発行できます。

スマート請求書を送る場合は、請求書プレビューの左上の「Web共有」をクリックします。

メールの編集画面が開くので、必要事項を入力します。

送信先メールアドレスは、取引先の「担当者メールアドレス」を登録していると自動で入力されます。

添付方法はここで変更することもできます。

操作画面

メールの内容を確認する」をクリックすると、メール本文の確認画面が開く表示されますので、問題がなければ「スマート請求書を送信する」をクリックします。

メールで送付>PDFファイルを添付

メールに請求書のPDFファイルを添付して送る場合は、請求書プレビューの左上の「メール添付」をクリックします。

メールの編集画面が開くので、以降の手順はスマート請求書と同様です。

 

★取引を登録せずに請求書を送る場合

請求書の内容を入力して「発行」をクリックすると、取引が自動で登録されて仕訳が作成されますが、取引登録をせずに請求書を送付することもできます。

発行をクリックせずに、「Web共有」「メール添付」または「郵送代行」をクリックすると、取引を登録せずに請求書を送ることができます。

 

郵送サービスで送付

取引 ⇒ 請求書

の順でクリックし、送付する請求書の行をクリックします。

請求書プレビューの上にある「郵送代行」をクリックします。

請求書は自動で郵送用のレイアウトに変換され、取引先の住所、印刷用の通し番号が挿入されます。

取引先の住所が未入力の場合は、「修正する」をクリックして住所を入力してください。

モノクロ、もしくはカラーを選択し、「郵送する」をクリックします。

操作画面

 

まとめて送付

複数の請求書をまとめて送付することができます。

送付方法は取引先ごとに指定ができます。

送信待ち状態の請求書を一括で選択して「取引先に送付」をクリックします。

送付方法が異なる取引先でも、一括で請求書を送る事ができます。

 

請求書データの保存・印刷

作成した請求書は、PDFデータでダウンロードや印刷することができます。

取引 ⇒ 請求書

の順でクリックし、送信したい請求書の行をクリックします。

請求書プレビュー右上のダウンロードボタンをクリックすると、PDFデータをダウンロードできます。

印刷をする場合はプリンタマークをクリックし、プレビューを確認して印刷することができます。

送信が完了したら、書類の画面で「送信済みにする」をクリックすると書類のステータスが「送付済み」に変わります。

必須ではありませんが、請求書の送付確認に便利です。

 

4. まとめ

以上で、freeeの請求書の設定、作成は完了です。

それぞれのやり方についてもっと詳しく知りたい場合、freeeのヘルプページをご覧ください。

実際に使ってみた感想としては、見積書からボタン一つで請求書が作成できる点や、一度設定をすると送付先のメールアドレスや住所を覚えていてくれるので、同じ相手に送る場合、次回から宛先の確認が不要な点が助かりました。

freeeの機能を上手に使って、転記の手間やミスのない請求業務を行いましょう。